工程管理とは生産管理とも呼ばれ、いろいろな考え方がありますが、私は「顧客から注文を受けて製品を届けるまでの活動(材料調達~発送)を調整するための手法」という表現がしっくりくると思います。
工程管理は、まず初めに需要予測、販売計画によって製品の仕様や数量・納期が決定されます。そして、決められた納期までに決められた数量を効率的に生産する順番を考える事を「生産計画」と言い計画に従って、実施をチェックし、計画通りに進んでいるか、また効率的に実施されているかを統制します。前回に説明した計画と統制が工程管理の大きな仕事になります。
後で用語は説明しますが「生産計画」では工程・作業の順序を決める「手順計画」、工数を決める「工数計画」、作業者・人員を決める「人員計画」、必要な資材を決める「資材計画」、工程ごとの負荷量を決める「負荷計画」、生産時期を決める「日程計画」から成ります。
これらの計画に基づいて「手配計画」を作成し、指示された設備や人員、資材が揃うと実際の作業に移るように指示を行います。この指示の事を「作業指示」、「生産指示」、「差立て」などと呼びます。3つの意味は一緒で会社によって呼び名が変わります。
会社によって伝票(作業指示書など)やホワイトボード(差立て板)などに内容が書いてありますよね?これが「作業指示」であり計画の段階です。
そして、指示された通り作業が行われているか現状を把握し「進度(進歩)管理」「現品管理」「余力管理」を行います。この事を「生産統制」と言い、計画(P)―実施(D)―統制(C、A)の一連の流れが「工程管理」の基本となります。
実際の仕事では飛び込みの仕事や、機械の故障、作業者の欠員などで計画通りに行かないものです。「工程管理は生産統制」と言う人もいるくらいです。
また、現品管理などでは、ISO9001を取得している企業ではかなり厳しく管理を行っていると思います。製品不良がでない事はまずありません、出たときの対処法も工程管理の1つになります。
そして、製品が出来上がったら検査・出荷になります。
ここまでの、受注を受けてから出荷するまでが「工程管理」の仕事となります。