品質管理の中には工程能力指数というものがあります。
品質管理部門の方たちにとっては当たり前でしょうが現場の人間にはあまり聞きなれない言葉ですよね?
今の時代の製造業では多品種少量生産・単品などが当たり前になってきています。ですから現場の人間にはその「工程がどれだけ安定しているか?」より「幾何公差・寸法公差が図面通りになっているか」の方が重要ですからね。
実際に私も、入社した頃は「公差内だからこれでいいや」と思いながら加工をしていました。これは、現場サイドの考えです。
しかし、この考えでは検査部門の方では全数検査などを実施しているかもしれません。
お客様の立場(品質管理の担当者)では工程能力指数(Cp値)で判断されている場合があります。このCp値の基準は
Cp>1.33のとき、工程能力は十分である
Cp値が1.00~1.33のとき、工程能力はあるが十分とはいえない
Cp<1.00のとき、工程能力は不足している
って判断されています。
実際、お客様によっては此れよりも厳しく、「Cp値が1.6以下の場合には全数検査しなさい」なんて所もあります。ですから、現場の人も「安定」を考えて作業しましょう!!
ここからが、Cp値の求め方です。
公差T(上側規格値と下側規格値の差)を工程能力(標準偏差を6倍した値)で割った値です。
標準偏差は前回やった手順で求めます。
Tは±0.1ならT=0.2となります。
10±0.05の製品を10個作った結果、下表とすると
平均は10.005
分散は0.0002
標準偏差は0.014142
となります。
に当てはめると
となります。
ですのでこの場合は
Cp値が1.00~1.33になるので
工程能力はあるが十分とはいえないということになります。
もう少し製品精度のバラツキを押えないといけませんね。
現場では、工程が安定すれば次工程が楽になりますよね?
それと一緒でお客様にも安心を与え検査の工数も減るかもしれませんよ!!